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政治・国際理解に関しては,身近な存在や体験をベースにしたものは理解度が高いが,抽象度の高い事象に関する理解や資料活用力は十分でない
世界地図の中から,中国やアメリカの位置を問う問題やオリンピックの説明として当てはまるものを四つの選択肢の中から選ぶ問題は,設定通過率より上回っている。しかし,青年海外協力隊の目的として当てはまるものを選ぶ問題や,「日本で勉強している外国人留学生」と「各国に対する日本の経済援助」の棒グラフから言えることを選ぶ問題では,設定通過率を下回っており,特に,青年海外協力隊の目的については設定通過率を11.4ポイントも下回っている。これは,こうした出来事に対して身近な経験や情報も少なく,関心があまり高くないことによるものと思われる。また,複数の資料からの読みとりに関しては,「日本で勉強している外国人留学生」のグラフが国費と私費にわかれ,国費留学生が非常に少ないことや「各国に対する日本の経済援助」のグラフに示された援助先の国名が多く,それらの国々が世界のどの地域に位置しているのかがとらえられていないこと,両者の資料を関連づけて読みとること等が不十分であることから正解に至らなかった可能性が考えられる(資料4)。政治や国際理解に関する出来事については,日常生活との関連や統計資料による読みとりなどを通して関心を高めさせ,自分の考え・課題をもちながら自分とのかかわりを発見できるような学習を作り出していくようにしたい。 |