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 あいさつ

 各県校長会
ご あ い さ つ
 

全国連合小学校長会長 向山 行雄

 全国連合小学校長昭和24年10月に発足して以来、我が国の小学校教育の充実・発展のために真摯な研究と実践を重ね、教育条件の整備に大きな成果をあげてきました。
 さて、今日、我が国は深刻な経済危機に見舞われています。経済が失速し様々な問題を生じている地域もあれば、収入が減少して子どもの養育に苦労している家庭もあります。そのような中でも、子どもたちは日々を懸命に生きています。深刻な経済情勢ではありますが、子どもたちの将来に影を落とすようなことがあってはなりません。私たち校長は充実した教育環境を整え、最善の教育活動ができるように学校運営を進めていく必要があります。
 戦後60年間、わずかの期間を除けば、我が国は必ずしも経済的に恵まれていたわけではありません。それでも、私たちの先人は子どもたちの将来のために、乏しい予算をやりくりして学校教育への積極的な投資をしてきました。
 全国の各会員の置かれている地域の実情は千差万別であります。各々の小学校の現状もそれぞれ異なります。ある会員は指導力不足教員にかかわる課題に直面しています。ある学校では家庭崩壊が相次いで、その対応に苦慮しています。ある学校では大量の若手教員をかかえ、その育成に日々苦心しているかもしれません。
 一つの学校を預かり、多くの教職員を束ね子どもたちの指導にあたれば、時にその困難な状況に心沈む日もあるでしょう。展望が開けずに眠れぬ日があるかもしれません。しかし、明けない夜はありません。私たち校長が、志を高く掲げ、理想の教育を志向していくことで、きっとその願いが周囲にも伝わり学校が活性化していくはずであります。全国の校長が、互いに学校づくりについての夢を語り、その具現化への方途を話し合う土壌をつくっていこうではありませんか。
 全国連合小学校長会では、平成20年度の香川大会から研究主題を「新しい時代を拓き、心豊かにたくましく生きる日本人の育成を目指す小学校教育の推進」と定め研究と実践を進めています。知識基盤化やグローバル化が進み、我が国のあらゆる分野で急速な改革が進行しています。改正教育基本法のもとに学校教育法なども改正されました。いよいよ新教育課程の移行措置も始まりました。ぜひ、本研究主題について、研究と実践を深め充実した教育活動を進めて行きたいと存じます。新しい教育課程の実施は学校を改革する絶好のチャンスであります。しかしその一方で課題もあります。全連小の調査では、新教育課程の実施に伴い、教職員の多忙感が強まるという懸念が高くなっています。「子どもと向き合う時間」の確保のためにも、学校の人的条件の整備は喫緊の課題であります。さらに、全国学力・学習状況調査の実施に伴う課題もあります。調査結果の公表の仕方によっては、ペーパーテスト重視や地区偏重傾向が高まるのではないかという声も高まっています。
 私たち校長は、小学校教育の目的を踏まえ、「生きる力」をはぐくむ学校運営に努め、もって、国民の信託に応えていくことが大切です。そのために、全国連合小学校長会の各組織の活動を通して会員の声を集め、関係機関に私たちの主張をしていかなければなりません。
 私は、全国連合小学校長会の活動を通して、校長が志を高く掲げ力強く前進する学校運営ができるよう全力を尽くす覚悟であります。会員の皆様、そして校長会の先輩方、関係者の皆様のご支援ご協力を得て、本年度の活動を進めてまいります。本ホームーページをご覧いただいた皆様には、是非、他の活動もご覧いただきまして、本会へのご理解とご厚情を賜れば幸いに存じます。