TOP全連小の主張教育緊急アッピール平成17年度児童生徒の問題行動等について
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平成18年9月19日
都道府県小学校長会長 殿
全国連合小学校長会長
                         寺 崎 千 秋
 

「平成17年度児童生徒の問題行動等について」の
調査結果についての校長会の取り組みについて

 9月13日に文部科学省で平成17年度における小学校における校内暴力等の調査結果が公表されました。それによると、全国2万2856校のうち3.2%の725校で校内暴力が見られ、校内暴力は2018件で3年連続で過去最多を示しています。内訳を見ると児童同士の暴力は951件で4.1%減ったものの、対教師暴力が464件で38.1%の増加、教師以外の対人暴力が16.7%増の21件、器物損壊が582件で7%の増となっています。本会としてこの結果を重く受け止めるとともに、これまで「命を大切にする教育の充実」「心の教育を重視した学校経営の推進」「よりよい人間関係の推進」などを訴えてきましたが、この機会にもう一度これらを確認するとともに、以下の視点で心の教育と安全確保の指導の徹底を図っていく必要があると考えます。また、学校教育に対する信頼、教員に対する信頼関係作りを一人一人の児童と築くとともに、社会・地域・家庭・保護者との信頼関係を一層深め、指導の実をあげていくことが求められます。
 つきましては、下記の事項について貴都道府県会員への周知・徹底についてご高配を賜りますようお願い申し上げます。

 
 子供一人一人を見守り見抜く目をもった対応の推進
 授業での子供の観察はもちろんのこと、日常生活においても子供一人一人をきめ細かに観察して、個々の成長や発達に応じた指導を心がけ声かけをするよう、一人一人の教師に具体的に指導・助言する。また、暴力が見られたら教師は毅然とした態度でこれを制するとともに、校内での対応を明文化しておく。
   
 子供についての情報を共有し、全校で指導に当たる学校経営の推進
  子供についての情報が学校に入りやすくし、諸情報を全教職員で共有した学校経営を推進する。そのために、学校ばかりでなく、保護者や地域の人々とも情報を交流し、互いに生かすようにする。また、安全確保という観点から、保護者と密に連携することが望ましい。
   
 子供の思いや願いの実現に向けた相談体制づくりの推進
 子供たちは日々成長・発達の過程にある。そこには夢や希望、目標があるとともに時には葛藤や挫折もある。そのような子供たちの話し相手や相談相手となるなどの環境づくりに努め、思いや願いの実現、問題の解決に共に当たり、自己実現が図れるようにする。
  
 校内の諸施設等の活用や子供の活動状況を視野に入れた指導の充実
 校内における子供の活動は多様化し、様々な施設・設備の活用が図られている。その際、校内に目の届かない施設や場所がないか、目の届かないところで子供が活動していないかを再点検し、協力的な指導体制のもと、子供の活動を視野に入れた適切な指導を行うよう努める。故意に施設を損壊したと見られるときは、責任の所在を明確にしていく指導が望まれる
   
 校内の危険物の保管・管理の徹底
 ナイフや包丁などの道具は、その使用目的に応じて安全に効果的に使用できるよう指導するとともに、一つ間違えば凶器になることも十分指導する。その保管については、管理を徹底するとともに、危険物を学校に持ち込まないよう改めて指導を徹底する。
   
 インターネットにかかわるコミュニケーションの指導の充実
 インターネットを使った子供たちのコミュニケーションが広がりつつある。これに伴うマナーやルールについての教育が不十分なため、思わぬトラブルに巻き込まれたり人間関係を悪化させる結果になったりなど問題も生じている。こうしたコミュニケーションの在り方についての指導を充実する。また、家庭にあってもコンピュータ、携帯電話等の適切な使い方について親子間で約束ごとを決めるよう奨励する。
   
 家庭・地域社会及び関係機関とのネットワークづくりの推進
 学校は、子供たちを保護者、地域の人々、関係機関と「共に育てる」という協力体制を大切にして教育を進めている。今後、これまで以上に情報交換などに緊密な協力、連携を図り、問題行動を未然に防ぐネットワークづくりに努める。
   
 信頼される学校作りに努める
 学校は、子供たちの人間形成の基礎を作ることに鑑み、望ましいモデルになるように教員を指導していく必要がある。教員である前に、人として信頼される存在であるよう研鑽を積まれたい。
 
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