TOP全国大会第58回神奈川大会 VII分科会・分散会の趣旨
 

◇第2分科会 @A◇


第2分科会 教育課程T

 研究課題    心豊かな子供の育成を目指す学校づくりへの挑戦
 
趣   旨
研究の視点
 子供たちは、他者とのかかわりの中で自分の存在価値や可能性に気付き、「夢と希望」をはぐくむとともに「自立と共生」の心を培っていく。しかしながら、少子化・核家族化の進行やゲーム機などの普及により、他者とかかわり合う機会は減少してきている。そのためか、各種の国際比較調査で見る限り、日本の子供の自尊感情は諸外国と比べて低い。また、学校現場では、自己中心的な言動の増加や他者への思いやりの欠如などが問題となっている。
 こうした状況を受け、各地の学校では体験的な活動や地域の人々との交流、読書指導の充実など様々な取組を行ってきている。これらの活動の根幹には、人の思いを敏感に感じ取れる心や、美しいもの、尊いものに感動できる感性などをはぐくみたいという、教師の熱い願いが存在する。近年、いわゆる「学級崩壊」に歯止め傾向が見られることや不登校の児童数が減少に転じたことなどは、そうした取組の成果の一端ではないかと考えられる。しかしながら、人と上手にかかわることのできない子供は相変わらず存在するし、問題行動の過激化や低年齢化など、残された課題も少なくない。これからも学校は、一人一人の子供に自尊感情を高めさせていくことや、他者との関係をよりよく改善していくための心と力を育てていくことを大切にしていかなけれなばらない。
 校長のリーダーシップのもと、道徳の時間をはじめ、学校教育のあらゆる機会を活用して、子供たちに豊かな心を育てていくための具体的方策について明らかにする。
 豊かな心の教育の充実を図る教育課程の編成と推進
 教育課程を「学校における学びの経験の総体」と広くとらえるとき、子供たちの心を育てる場は、教科等の学習や多彩な学校行事、そして、日常的な活動など多岐にわたる。各学校においてはそれぞれの特色を生かしつつ、友達や周囲の人々とかかわり合ったり自然とふれ合ったりする活動を工夫して、子供たちに「夢と希望」をはぐくむとともに「自立と共生」の心を培う取組をしているこ とであろう。また、心を育てるための環境整備に力を入れている学校も少なくないであろう。
 道徳の時間以外の場において子供の心をはぐくむことを重視した教育課程を編成・推進するために、校長に求められる指導性について究明する。

 道徳教育の充実と実践力を高める教育課程の編成と推進
 道徳の時間では、目標を達成するための方策を総合的に示した全体計画を作成し、これに基づいて年間指導計画を作成する。作成に当たっては、地域の特性や子供の実態等を反映させることが求められている。また、道徳の時間の実践では、心のノート」の活用など、子供たちに「夢と希望」をはぐくむ指導の充実が大切である。
  各学校の特色を生かした道徳教育の教育課程編成や具体的実践の在り方、それを支える校内体制について明らかにするとともに、それらを積極的に推進するために、校長に求められる指導性について究明する。

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