TOP全国大会第58回神奈川大会 VII分科会・分散会の趣旨
 

◇第5分科会◇
第5分科会 人権教育

 研究課題  誰もが安心して豊かに生きることのできる学校づくりへの挑戦


 
趣   旨
研究の視点

 社会の国際化、情報化が広がるにしたがって、一人一人がグローバルな視点をもつことや、互いが多様性を認め合い差異を超えて協力関係を築いていくことが大切にされ始めている。しかしながら一方では、犯罪の国際化や地球規模の環境問題など、国を越えた課題も増加してきた。
 こうした中、一人一人が自分の権利をのびのびと行使するとともに、それらの権利を行使することに伴う責任の重さを自覚し共生していく社会、すなわち、誰もが安心して豊かに生きることのできる社会を目指すことが今まさに求められている。学校においては、子供たちはもとより、地域に住む高齢者や障害のある人々、また、言語や習慣の違う人々をも含め、自分を取り巻く様々な人々と豊かなコミュニケーションを図るとともに、共に生きる大切さを知り、違いを認め合い、自他の人権を尊重する態度を育てることが大切になる。なぜなら、子供たちの「夢と希望」は、「自立と共生」に不可欠な人権尊重の精神に基づくことで、より豊かなものになるからである。
 そのためには、人権教育を学校教育目標や具体的な教育課程、学校評価にしっかりと位置づけ、学校全体で取り組んでいかなければならない。そのことが「誰もが安心して豊かに生きることのできる学校づくり」につながっていくのである。
  校長のリーダーシップのもと、家庭や地域社会、関係機関との連携・協働を進め、子供が自分の存在を認められ、生き生きと生活できるような学校をつくっていくための具体的方策について明らかにする。

 人権尊重の心と実践力を培う教育の推進
 子供たちに、誰もが安心して豊かに生きる権利があること、互いの権利を認め合う責任があることを実践的に学ばせることは大切である。そのためには、人権尊重の視点に立った教育課程やそれに基づく人権学習プログラムを作成し、その上で、差別や偏見を解消し望ましい人権意識をはぐくむ活動や、弱い立場の人々の視点に立って考える学習を推進することが重要になる。
 いじめ、虐待、暴力、セクハラ等の権利侵害から自分を守るためのスキル学習、平和教育、男女平等教育、外国人児童教育、同和教育などを切り口とした取組、地域性を踏まえた実践など、人権尊重の心と実践力を培う教育を推進するために、校長に求められる指導性ついて究明する。

 子供の人権を守る教育の推進
 社会の急激な変化に伴い、インターネットによる犯罪被害や児童虐待の問題など新たな人権問題が生まれている。一方で相談機関や人権擁護にかかわるネットワークの整備も進んでいる。このような人権にかかわる状況に対応できる校内体制の充実や関係機関との連携など、学校と地域が一丸となった取組がますます重要になっている。
 また、計画的・継続的な研修を行う中で、大人自身が指導者として人権感覚と指導力を高めることも子供の人権を守り育てるために必要となる。
 このように、人権尊重を基盤とした学校体制づくりのために、校長に求められる指導性について究明する。
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