社会の国際化、情報化が広がるにしたがって、一人一人がグローバルな視点をもつことや、互いが多様性を認め合い差異を超えて協力関係を築いていくことが大切にされ始めている。しかしながら一方では、犯罪の国際化や地球規模の環境問題など、国を越えた課題も増加してきた。
こうした中、一人一人が自分の権利をのびのびと行使するとともに、それらの権利を行使することに伴う責任の重さを自覚し共生していく社会、すなわち、誰もが安心して豊かに生きることのできる社会を目指すことが今まさに求められている。学校においては、子供たちはもとより、地域に住む高齢者や障害のある人々、また、言語や習慣の違う人々をも含め、自分を取り巻く様々な人々と豊かなコミュニケーションを図るとともに、共に生きる大切さを知り、違いを認め合い、自他の人権を尊重する態度を育てることが大切になる。なぜなら、子供たちの「夢と希望」は、「自立と共生」に不可欠な人権尊重の精神に基づくことで、より豊かなものになるからである。
そのためには、人権教育を学校教育目標や具体的な教育課程、学校評価にしっかりと位置づけ、学校全体で取り組んでいかなければならない。そのことが「誰もが安心して豊かに生きることのできる学校づくり」につながっていくのである。
校長のリーダーシップのもと、家庭や地域社会、関係機関との連携・協働を進め、子供が自分の存在を認められ、生き生きと生活できるような学校をつくっていくための具体的方策について明らかにする。
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