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平成20年度 全国連合小学校長会活動方針

 

 全国連合小学校長会は,結成以来,我が国の小学校教育充実・発展のため,真摯に研究と実践を重ねるとともに教育条件の整備に努め,多大な成果をあげてきている。
 知識基盤社会化やグローバル化が進む今日,日本の社会は,規制緩和や地方分権の考え方が進み,政治・経済だけでなく,あらゆる分野において急激な改革が進行中である。教育においても,教育基本法が改正され,同法に基づく学校教育法等の改正により義務教育の目標が定められ,教育振興基本計画の策定が進められるとともに,様々な角度から教育改革が推進されている。また中央教育審議会より学習指導要領等の改善についての答申がなされ,新学習指導要領が告示された。
 こうした中にあって,今,学校は,自主性・自律性を確立し,創意工夫して確かな学力の向上を図り,豊かな心と健やかな体を培う「生きる力」をはぐくむ教育のための教育課程の編成・実施・評価や移行措置の着実な推進が強く求められている。さらに,青少年の健全育成,学校の安全管理,人権,福祉,教育諸条件の整備充実等,対応すべき重要課題が山積している。
 われわれは,このような現状を深く認識し,未来社会に夢と希望を持ち,たくましく生きる児童の育成を志向して,組織の総力をあげて課題解決に努め,積極的に政策提言し,もって国民の信頼に応える必要がある。そのために,校長は自らの使命を自覚し,権限と責任のもとにリーダーシップを発揮して,教職員の力量を高め,活力ある学校づくりに努めていかなければならない。
 本年度は,下記の活動を重点として推進する。

研究活動の充実
  研究主題「新しい時代を拓き,心豊かにたくましく生きる日本人の育成を目指す小学校教育の推進」に向けて、「豊かな知性と健やかな心身をもち,夢に向かってチャレンジする子どもの育成」を副主題にして研究に努め,育っている児童の姿で実証し発信する。
学校経営の充実  
  校長自ら研鑽に励み,学校経営の責任を明確にし,経営方針確立のもと、家庭・地域社会との連携を密にして,児童の安全を確保しながら,生きる力の育成と創意ある教育活動を目指す創造的で開かれた学校経営の充実に努める。
「生きる力」をはぐくむ教育課程の編成・実施・評価
  学習指導要額の趣旨の理解,移行措置への対応を計画的に行い,自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考える教育を推進し,其礎的・基本的な知識・技能の習得とこれらを活用する思考力・判断力・表現力等の育成を図る教育を展開する中で,主体的にたくましく生きる力の育成を目指す教育課程の編成・実施・評価及び,さらなる改善に努める。
豊かな心や健やかな体の育成
  言語の能力の重視や体験括動の充実により自分への自信を持たせるとともに,心の教育を一層推進して豊かな心をはぐくむ道徳教育の充実・改善を図る。また、児童理解を深め,いじめ・不登校などの,課題解決を図ったり、体力の向上など健やかな心身の育成について指導の充実をしたりして,一人一人の自己実現を目指す健全育成の推進に努める。
教職員の資質・能力の向上
  校内外の研修体制を充実させながら教育職員一人一人に専門職としての自信と誇りをはぐくみ,学級経営の充実,教科指導,生徒指導などの実践的指導力を高め,資質・能力の向上に努める。
教職員の処遇改善
  教師が子どもたちと向き合う時間の確保などの教育諸条件の整備や義務教育費国庫負担制度の堅持及び 義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法の堅持を強く求めるとともに,これらの精神を十分尊重し,管理職を含むすべての教職員の職責に相応する適正な処遇が得られるよう要望活動の強化に努める。

 これらの活動を推進するために,全国連合小学校長会として,組織の活性化と長期的ビジョンを見すえつつ,各地区・各都道府県小学校長会との連携を一層密にして組織活動の充実に努めるとともに,関係諸機関・他団体とも連携し、小学校教育に対する正しい世論の喚起に努める。
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